【1曲レビュー】DAOKO "御伽の街"
ちょっと聴かないでいるうちに、すごいことになっていた。DAOKOの新曲"御伽(おとぎ)の街"の話である。
とりあえずMVを観て欲しい。まずサムネイルからキマってやがる。
鮮烈な色づかい、レトロな8bitやVHSのノイズ、そこに交錯する幾何学的なヴィジュアル・イメージ。そんな映像の中でOL風の衣装に身を包んだDAOKOが悩ましげな目線を送ってくる。何かいけないものを観てるんじゃないか…?という気持ちになる。思わずもう一度再生してしまう。くらくらする。ああもうやられた。
そして、なんと言ってもバッチバチにラップをするDAOKO。そうなんだよDAOKOはラッパーなんだよ!と、特別ヒップホップの知識がなくても初期のDAOKOを思い出して感慨深くなる。
そう、映像的にも楽曲的にも、どことなくメジャー初期あたりのDAOKOにリンクするような部分があり、その当時のイメージをアップデートする作品に仕上がっている感触を受けた。何より「本当にやりたいことを好きにやってる感」がたまらない。
ところで。
MVの概要欄を見ると分かるのだが、楽曲のクレジットにこんな記載がある。
【楽曲情報】
「御伽の街」
作詞・作曲 DAOKO / Nariaki Obukuro
編曲 Nariaki Obukuro
Produced by Nariaki Obukuro
Nariaki Obukuroの文字が!!!
個人的には小袋成彬氏との共作という点に最も惹かれた。彼が12月にリリースした『Piercing』がすっかり愛聴盤となっていた矢先、である。
どうやら制作自体は一昨年の冬から始まっており、互いに意見交換しながら進んでいったという。時には小袋氏からフロウのレクチャーがあったりなど、さすがはプロデューサーといったところ(詳しくは下記のリンクで)。
なんというか…少しDAOKOから離れていたところを小袋氏に引き寄せられたというか、このタイミングで戻って来れたのは図らずも嬉しい気持ち。
とまあ、個人的な調子で綴ってはみたが、気になったら是非聴いてみてほしいというお話。ここからどうなるのか、本当に楽しみ。
DAOKO - 御伽の街
2020/01/15 リリース
(taku / おすしたべいこ)