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使徒、襲来 / ANGELS' ATTACK - THE NOVEMBERS『ANGELS』レビュー

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再生ボタンを押した瞬間、このアルバムが傑作であることを確信した。THE NOVEMBERS 7枚目のシン・アルバム『ANGELS』。

 

 

オルタナティヴ・ロック、ゴシック・ロック、インダストリアル・ロック、ヴィジュアル系シューゲイザー、歌謡曲…。様々なジャンルが頭をよぎった。しかしどの言葉でもこのアルバムを語るには不十分であり、聴けば聴くほどカテゴライズが浅はかなものに感じた。

 

"BAD DREAM" を聴いた時、去年のSONIC MANIAで観たNine Inch Nailsを思い出した。Yusuke Kobayashiはトレント・レズナーのようにスタジアム級の会場を湧かせて然るべきだと思う。

 

THE NOVEMBERS「BAD DREAM」▲

 

アルバムを再生し終えた頃には、Maison book girlの『yume』やThe 1975の『A Brief Inquiry Into Online Relationships』を聴き終えた時と同じ衝撃(むしろそれを超えるもの)が自分の中には残っていた。

 

アンダーグラウンドな精神と強固な美意識を貫きながらも、深い慈愛を持ってリスナーに寄り添う。ここまで凶暴で攻撃的なサウンドでも耳にスッと馴染むのは、やはり彼らだからこそなせる技であり、「THE NOVEMBERS」というジャンル(あるいは美学)が確立されていることの、何よりの証拠だろう。前作『Hallelujah』も素晴らしい作品だったが、それが霞んでしまうレベルで深化している。

 

お馴染みtobird氏によるアートワークは空から降り注ぐ天使の光だろうか。そして、少なからずエヴァンゲリオンを意識していると思われる『ANGELS』というタイトル。その名の通り「9体の使徒たち」がリスナーに迫り、破壊で創造をするような美しい風景を見せてくれる36分間だ。

 

(taku / おすしたべいこ)

 

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