好きなMV監督のはなし - 小嶋貴之監督をご存じですか?
時は令和、次の記事は何を書こうか悩んでおりましたら、いつの間にかTシャツを着る季節になってしまいました。(!)
さて、本日は好きなMV監督のお話をしようと思います。 ※MV=ミュージックビデオの略、PVとも。
わたくし映像技術に関しては全くの素人になりますのでそれを大前提で読んでいただけますと幸いです。
皆さんは小嶋貴之さんという方をご存じでしょうか?
知らないよ、という人もこの監督の作品を知らぬ間に観ているかもしれません。
主な担当アーティストは、KEYTALK、ACIDMAN、ストレイテナー、Plastic Tree、the telephonesなどが挙げられます。
上記はロックバンドに絞りましたが、他にもアイドルやヴィジュアル系、声優、ボーカロイドなどジャンルを問わず幅広いシーンで活躍されている映像作家さんです。
(私はこの監督の作品が好きなあまり、クレジットを見ずとも、おっ、これは小嶋作品だな!と分かるようになってきました。)
数ある作品の中でも今日は特に小嶋監督らしさが垣間見える作品群をご紹介します。
小嶋さんの作品にはどんな特徴があるのでしょうか?
今回は自分なりに4つのセクションに分けてみましたので、MVと一緒にみていくことにしましょう。
①ファンタジー性の高いモチーフ
ファンタジア/ACIDMAN
第一の特徴は、映像に神話あるいは童話的なモチーフが頻出する、というところです。
このACIDMANのMVは、まさに曲題の"ファンタジア"の通りファンタジックな要素が詰まった映像となっています。
比較的多く出てくるモチーフには時計や歯車、額縁、鳥、蝶、ウサギ、鹿、花、草、木が挙げられます。
いずれも小さい頃に絵本で見たかのような描写で観る者に懐かしさを感じさせます。
【他の作品】
℃-ute『夢幻クライマックス』(℃-ute[Dreamlike Climax])(Promotion Edit) - YouTube
②コラージュ的なクラフト感のあるアニメーション
甘美な死骸/9GOATS BLACK OUT
小嶋監督は、コラージュもしくはアッサンブラージュの手法を用いたようなアニメーションも作品に取り入れています。
これらのアニメーションには、ジョセフ・コーネル(アメリカの芸術家)やヤン・シュヴァンクマイエル(チェコの映像作家)を彷彿とさせるような、どこかシュルレアリスム的表現を感じます。
CGで人物を切り抜き、アーティストをアニメーションの世界の中に紛れ込ませてしまっているのもとても面白いですね。まさにアート作品のようなMVと言えます。
【他の作品】
Moran 「春の夜の、ひと雫」Full version - YouTube
ダイナソー / Czecho No Republic - YouTube
③幻想的な光の表現
ピアノブラック/Plastic Tree
前掲した2つの動画を見た方はそろそろ共通する特徴にお気づきではないでしょうか?
最も小嶋作品によく現れているのは"光"の効果的な表現です。
このMVでは後半、ボーカル有村竜太朗の顔が見えない程、光が前面に出ています。
他のMVでも光が全面的に押し出されているものが非常に多いです。
一般的に光というと、白もしくは黄色の単色のみで表現することが多いですが、時折小嶋監督の用いる淡い虹色のような柔らかい光は鑑賞者を幻想的なイメージへと誘います。
【他の作品】
【MVフル】MAN WITH A MISSION「FLY AGAIN」 - YouTube
KEYTALK "sympathy" 【PV】 - YouTube
④浮遊している空間
フリージア/ムック
最後に、小嶋監督の作品には人物・物体が空中に浮かんでいるようなMVがいくつかあること記しておきます。
このMVは今まで述べてきた①〜③の特徴が顕著にあらわれている作品です。
サビ前までアニメーションやボーカル逹瑯と耽美な部屋が映し出されていますが、サビになると一気に開放的になり、人物と部屋?が完全に空中浮遊状態です。
このような浮遊感のある空間表現も時折見られる小嶋監督のひとつの特徴ですね。
しかし、CGの技術って本当に凄いです。(語彙力の欠如!)
【他の作品】
ギルガメッシュ(girugamesh)「Drain」MV (Full Ver.) - YouTube
ここまでMVの例をあげて作品を観てきましたが、皆さんいかがでしたでしょうか?
小嶋作品に興味をお持ちいただけましたでしょうか?
本日紹介したものはほんの一部です。
他にもどんな作品があるのか知りたいよ、という方は下記ブログをオススメします。
また、ご本人の貴重なインタビューもありますので興味のある方は是非読んでいただければと思います。
先述したような特徴はあるにしてもどの作品もそのアーティストらしさを失わず、毎回観るたびに新鮮さを与えてくれる小嶋監督の映像。
個人的にMVと楽曲のイメージが違いすぎると非常にガッカリしてしまうタイプなのですが、小嶋監督の作品は言うことなしです。いつも素敵な映像をありがとうございます。(深めのお辞儀)
これからの小嶋監督の作品にも期待が膨らむばかりですね。
それでは、今夜はここまで。
(miku)