ムジーク

勝手気ままに綴る音楽ブログ

Galileo Galilei『ハマナスの花』10周年に寄せて

2010年2月24日。今から10年前、Galileo Galileiのメジャー・デビュー作『ハマナスの花』がリリースされた。 当時の僕は高校生で、ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』を熱心に聴いており、Galileo Galileiが「閃光ライオット」の初代チャンピオンだということを…

ナンバーガール・逆噴射バンドと無常の旅

ずっと、彼らは再結成しないと思っていたし、してほしくないとすら思っていた。それがどうだ、17年ぶりに復活すると知った途端、いとも簡単に手のひらを返してしまった。 ナンバーガール。僕の人生に深く刻まれているバンドのひとつだ。 存在を知った頃には…

【1曲レビュー】Tempalay "大東京万博"

2020年2月26日、Tempalayの新曲"大東京万博"がリリースされた。 相変わらずの異国情緒溢れるサウンドに酔いしれてしまう…。今作はイントロから二胡がフィーチャーされ、より全体的にオリエンタルなサウンドに仕上がっている印象。 レトロなギター・サウンド…

聴きたかった羊文学、リキッドルームに - 羊文学「はばたき」を観て

前回のワンマンから約半年。さらに会場を大きくして羊文学が帰って来た。 2020年1月31日。新作EP『ざわめき』を引っさげて大阪と東京をまわったツアー「はばたき」の東京公演、恵比寿LIQUIDROOMに僕はいた。例によってチケットはソールドアウト。会場の規模…

ヤなことそっとミュートの新メンバー・凛つかさが気になる

タイトルのまんまです。ヤなことそっとミュートの新メンバーである「凛つかさ」さんが気になる。初めて見た瞬間からこんなにもビビッときたアイドルは久々だったので、軽い気持ちで文章を綴ってみることにした。 凛つかささんは昨年の新メンバーオーディショ…

【1曲レビュー】DAOKO "御伽の街"

ちょっと聴かないでいるうちに、すごいことになっていた。DAOKOの新曲"御伽(おとぎ)の街"の話である。 とりあえずMVを観て欲しい。まずサムネイルからキマってやがる。 鮮烈な色づかい、レトロな8bitやVHSのノイズ、そこに交錯する幾何学的なヴィジュアル・…

「C」の先へ - Base Ball Bear『C3』レビュー

2020年1月22日。年が明けて間もなく、早くも僕にとって大切な作品がリリースされた。Base Ball Bearのニューアルバム、『C3』。 思えば、音楽を熱心に聴き始めた高校生の頃から10年以上ずっとCDを買い続けているアーティストは、もうほとんどいない。挙げる…

Best Albums of Japan 2019

遅ればせながら、弊ブログを運営する2人が選出した2019年の邦楽ベストアルバムを発表いたします。完全に個人的な好みに準拠していますが、それがイコール『ムジーク』の色だと考えていただければと思います。 以下、それぞれコメントをつけました。全25枚で…

僕は本当にフジファブリックのファンなのだろうか

2019年が自分にとって特別である理由は様々あるのだが、やはりあの人の死を想わずにはいられなかった。 志村正彦。2009年12月24日に亡くなってから、今年でちょうど10年が経つ。 かつて野球少年だった彼は、中学生の時に奥田民生のライブを観て音楽を志した…

Perfumeのっちに人生を狂わされ、ボブヘア教に入信した人間がおれだ

Perfumeがメジャーデビューして15年経つらしい。結成に至っては、なんと20周年。彼女たちが現在30〜31歳ということを考えれば、人生の半分以上をPerfumeに費やし、活動していることになる。 すごくね????? "ポリリズム"がリリースされたのは2007年。あ…

乱暴なリハビリの先に - Syrup16g「SCAM:SPAM」

2019/10/04 SCAM <詐欺> 初めて恵比寿駅で下車した。金曜日の夜の人波に抗いながらエスカレーターを登り、空中回廊をひたすら進んでいく。やがて、これから観ることになるバンドとは真逆の雰囲気を醸し出す広々とした庭園のような場所に、僕は辿り着いてい…

【1曲レビュー】Luby Sparks "Somewhere"

Luby Sparksが約1年ぶりのシングル『Somewhere』をリリースした。 『Somewhere』ジャケット 2018年1月、『Luby Sparks』でデビューを飾った彼ら。スーパーカーの『スリーアウトチェンジ』を「意図的」になぞるような青くドリーミーなシューゲイズサウンドを…

Base Ball Bear・日比谷ノンフィクションⅧと記憶の旅

話は10年前まで遡る。 僕がBase Ball Bearのライブを初めて観たのは2009年9月12日。ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!!』主催のライブイベント「YOUNG FLAG 09」の札幌公演に、ベボベは出演していた。 同じ年の春頃に"神々LOOKS YOU"を聴いてすっかりベボベにお熱…

人が変わること・バンドが変わらないこと - 羊文学「まばたき」を観て

最新作『きらめき』のレコ発として、初の東名阪ツアーである「まばたき」を行なった羊文学。そのファイナル公演が、2019年8月7日、渋谷CLUB QUATTROで行われた。 チケットはソールドアウト。超満員の会場で、整番が60番台だった僕はステージから3〜4列目の好…

本当の自分は誰にもあげない - 羊文学『きらめき』レビュー

7月3日。2019年もB面に差し掛かって程なく、羊文学の新作『きらめき』が届けられた。 羊文学は、昨年リリースした1st アルバム『若者たちへ』に代表されるように、若者の心象風景を描き出すことに関しては本当に長けている。絶対的な塩塚モエカ(Vo. G.)とい…

好きなMV監督のはなし - 小嶋貴之監督をご存じですか?

時は令和、次の記事は何を書こうか悩んでおりましたら、いつの間にかTシャツを着る季節になってしまいました。(!) さて、本日は好きなMV監督のお話をしようと思います。 ※MV=ミュージックビデオの略、PVとも。 わたくし映像技術に関しては全くの素人にな…

誰も得をしないドリンクチケットのはなし

突然ですが、みなさんライブハウスでドリンクは飲みますか? 今日は誰も得をしないドリンクチケットの話をしようと思います。 私はどちらかというとドリンクを引き換えないことが多いです。理由は様々あります。 ・取りに行く時間or飲む時間がない ・混んで…

追憶のゼロ年代10選

どうやら平成が終わってしまうらしい。どこを見渡しても「平成最後」というフレーズが跋扈しており、次は「令和最初」かと思うと、ああもうたくさんだと思わなくもない。が、今回はあえてそれにあやかってみよう。 筆者は平成4年生まれであり、ゼロ年代こそ…

TOWER VINYLとディスクユニオンは何が違うのか?

2019年3月21日、タワーレコード新宿店の最上階にオープンしたTOWER VINYL SHINJUKU。タワレコ初のレコード専門店であり、昨今のアナログブームも手伝って、音楽ファンから注目されている。 …と、ここで気になるのが、ディスクユニオンとの違い。やはりアナロ…

オタク史上、最もかなしかった夜

かなしかった、なんて言いたい訳がない。そもそもめでたい日であるはずだし、こんな事にあえて言及する必要はないのかもしれない。 しかし、やはり言わずにはいられなかった。 * * * 2019年2月3日、この日はクマリデパートのワンマンライブ「千客万来!お…

或るシュルレアリストの午後 - 君島大空『午後の反射光』レビュー

レビューって難しい。レビューを書く度にそう思う。それに加えて、今から数週間前に初めて名前を聞きましたレベルのアーティストについて綴ろうとしている。浅はかな知識で挑むものだから緊張する。どうか甘めにみてほしい。 最近ツイッターでよく目にするシ…

使徒、襲来 / ANGELS' ATTACK - THE NOVEMBERS『ANGELS』レビュー

再生ボタンを押した瞬間、このアルバムが傑作であることを確信した。THE NOVEMBERS 7枚目のシン・アルバム『ANGELS』。 オルタナティヴ・ロック、ゴシック・ロック、インダストリアル・ロック、ヴィジュアル系、シューゲイザー、歌謡曲…。様々なジャンルが頭…